写狂老人A 17.5.25で77齢 後期高齢写
本書は、タカ・イシイギャラリー・フォトグラフィー/フィルムで開催されている荒木経惟個展『写狂老人A 17.5.25で77齢 後期高齢写』と同時刊行された写真集。2017年5月25日で77歳を迎えた荒木経惟が見せる「死」への意識と「生きる」ことへの意識。人間が老いていくという事実を覆すように、彼の写真は生気に満ち溢れ美しい。荒木経惟の撮り続けることへの信念や被写体への愛情を色濃く感じさせる一冊になっている。
今は年寄りの時代なんだからさ、今どき、「年寄りに見られたくなく」なんて加齢に抵抗するヤツはダメなワケ。今こそ“老いていく”というその変化を、自信を持って発表していくべきなんだよ。年を取らなきゃわからないことってたくさんあるし、人間としてキャリアを積んでんだから、若いヤツより老人のほうが魅力があって当然(笑)。
― 作者テキストより
荒木はこれまでも自身の加齢を肯定的に作品に取り込み、その作品世界を絶えず豊かなものにしてきました。前立腺癌、網膜中心動脈閉塞症による右眼の視力の喪失など、降りかかる病と向き合い克服し続けた荒木は、「後期高齢写」と名付けられた本シリーズを通じても、自身の身体や生活に及ぶ変化を、日々写真を撮影するというエネルギーに転換する中で生き、膨大な数の新作を生み出しました。老いることで一層魅力を増す人間のように、作品に存在するエロスとタナトスがより色濃く漂う荒木の新作を是非ご覧ください。
― 出版社説明文より
- 判型
- 220 × 170 mm
- 頁数
- 120頁、掲載作品296点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2017
- エディション
- 500