Signed 記録58号
森山大道
$21.51
写真家。1938年10月10日、大阪府池田町(現池田市)に生まれる。1958年、フリーの商業デザイナーとして大阪平野町に事務所設立。1959年、写真家・岩宮武二のスタジオでアシスタントを務める。1961年、岩宮武二の紹介で写真家集団「VIVO」に参加するため上京するも、参加直前に解散。1962年、VIVO解散後、細江英公の助手となり『薔薇刑』(集英社/1963)の制作に携わる。1963年、フリーの写真家となり、横須賀、熱海、新宿、浅草を中心に写真を撮る。東京ビジュアルアーツ顧問、東京工芸大学客員教授、京都造形芸術大学情報デザイン学科客員教授に就任。ワークショップ写真学校や東京写真専門学校(現 東京ビジュアルアーツ)の講師など、さまざまな写真教育活動に当たるなど、教育活動にも力を入れている。日本、アメリカ、イタリア、イギリス、フランス、オーストリア、ベルギー、ドイツ、中国、スペインなどで個展を開く。
昨秋、写真家ウィリアム・クライン氏がパリで亡くなられた。
2012年、ロンドンのテート・モダン美術館で、ウィリアム・クラインとぼくの二人展が開催され、多くの人々に観て頂いた。ウィリアム・クラインの壁面は、写真はもとより、絵画作品、ムービー・フィルムなど多彩な構成で、いうまでもなく圧巻であった。一方ぼくの壁面は、ごく一部のカラー作品を除き、そのほとんどは大伸しのモノクローム・プリントをびっしりと張りめぐらせた構成であった。
ほゞ60年もまえ、あの衝撃的な写真集『NEW YORK』で思いっきり横っ面を張り倒されてぼくの写真人生が始まったわけで、とすればロンドンの二人展といえば、ぼくとしては、クラインに向けたモノクローム・プリントの氾濫以外に手はなかった。
そしてぼくは、大きな車椅子に乗って、その巨きな姿を現わしたクライン氏と久方ぶりに再会して、どちらからともなく握手を交わしていた。もうこのひとときの時間の内に、そして、二人展が始まったばかりにもかかわらず、もうオレの二人展は終ったも同然と云いたいほどの感懐が心中を満たしていた。(後略)
― 森山大道(本書あとがきより一部抜粋)
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