写狂老人日記 嘘
『嘘』も、「写狂老人日記」の一冊なんだけど、
今の心境は、「日記」じゃなくて、「時記」だね。
時の記録、変わっていく時々刻々の記録だよ。
一日という単位じゃ長すぎる。
だから、2014年の4月1日という一日だけを写したのさ。
一日が過ぎれば、全部が変わっちゃう。
とても人間がコントロールなんかできっこない。
とにかく一日のなかにある雑多なものを撮る、それしかない。
もともと写真って、選ぶことじゃないんだよ。
<雑>を相手にするもんなんだ。
なぜ「嘘」かって?
アタシの「嘘」という字、偏の「口」を丸く描いているでしょ。
「○」がレンズなんだよ。
「嘘」は、<うつろ>なレンズ、レンズが写した<うつろ>、どっちかだな。
― 荒木経惟、あとがきより
- 判型
- 257 x 189 mm
- 頁数
- 277頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行日
- 2014
- 言語
- 日本語