無言劇
ムカシムカシの話である。ヤツらは、人の親指ほどの沢山の小さなビンの中の液に浸ってそれぞれ眠っていた。それぞれがカキの皮膚をしてその形はほとんどエビだった。
神奈川県の、丹沢山系にほど近い町の産婦人科病院の、暗い廊下に立ち並んだ標本棚の片隅で、ガラスケースの棚に、フォルマリン液に漬けられた無数の胎児たちが皆ひっそりと肩を寄せ合って陽の当る中庭を眺めていた。
―森山大道、あとがきより
本書は『現代の眼』に 掲載された作品の他に、ほぼ未掲載カット作品を中心に構成、同シリーズをまとまった形で紹介する初のコピーブックとなります。
― 出版社説明文より
- 判型
- 297 x 210 mm
- 頁数
- 60頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2017
- 言語
- 日本語、英語
- エディション
- 600