人妻ノ写真
荒木経惟のライフワークとして知られる「人妻エロス」は、『週刊大衆』(双葉社)の連載企画として1998年に開始され、誌面を見て応募してきた人妻たちの赤裸々な姿が荒木によって撮り下ろされています。連載開始から15年、荒木が撮影してきた数百人もの人妻たちのカラー写真はこれまで、連載のほか写真集等でも発表されてきましたが、本展では、荒木がそれらのカラー写真と並行して撮影してきた、未発表の日付入り写真が初めて発表されます。荒木の展覧会としても、「人妻」の写真のみで構成された展覧会は、今回が初めての機会となります。
壁面にグリッド状に展開される約700点のキャビネ判写真は、35mm判カメラで撮影されており、連載「人妻エロス」の写真とはひと味異なり、被写体である人妻との親密な関係がより豊かに写し出されています。またそれぞれの写真には、7色のカラーマーカーで荒木自身の手によってペインティングがほどこされており、かつてない「人妻」の写真作品となっています。このほか、中判カメラで撮影された新作プリント約20点もあわせて展示いたします。
「彼女たち(人妻)自身がアートだ」と話す荒木の作品には、「撮る/撮られる」という撮影行為のなか、人妻たちの夫には見せることのない表情やひとりの女性としての魅力が引き出されており、見る者を人妻の世界へと誘うとともに、女性として生きることの意味を問いただしてもいます。
― Rat Hole Galleryでの同名展覧会情報より
- 判型
- 212 x 155 mm
- 頁数
- 160頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2013
- エディション
- 500