荒木経惟写真全集3:陽子
私を写真家にしてくれたのはヨーコだった。― 荒木経惟
新婚旅行の光景を淡々と綴った『センチメンタルな旅』以来、妻・陽子は荒木にとって最高のモデルだった。未発表カラー作品に加え、陽子が残したエッセイも多数収録した決定版。巻末に岡崎京子の「荒木経惟論 | 東京初雪が降った日に」と荒木自身による「アラーキー『陽子』を語る」を収録。
アラーキーの写真と陽子のエッセイが紡ぐ、終わることのない愛の物語。
物想いに沈んでいる表情が良い、と言ってくれた。私はその言葉にびっくりして、じっと彼を見詰めていたような気がする。
その時までの私の世界は、きっと、原色だっただろう。けれど、その原色は渋いニュアンスのある色に変わろうとしていた。一人の男の出現によって、季節がはっきりと区切られていくのを、密かに自分の心の中に感じていた。私、20才。彼、27才。冬の終わり頃だった。― 荒木陽子(本書収録のエッセイより抜粋)
- 判型
- 225 × 150 mm
- 頁数
- 200頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 1996
- 言語
- 日本語
- ISBN
- 978-4-582664-03-4