Rubber
日本の祭礼を写した『風姿花伝』、東京の下町を徘徊して撮った『わが東京100』、『東京景』など、日本の風俗的な事物を撮り続ける須田作品の中では、異質とも見られる本書『Rubber』。ラバー・スーツに身を包んだ女性を撮った作品が収められており、ページを繰るごとに、須田の視線のフェティシズムと 被写体の感触のフェティシズムが交差する、特異な狭小空間が広がる。
須田は本書に寄せて「ラバーの快感に倒錯するマニアを被写体とすることよりも、自らが倒錯した傍観者で在りたかったのである」と書く。
須田の作品に一貫して宿るエロティシズムの源泉を示す貴重な一作。
- 判型
- 235 x 205 mm
- 頁数
- 93頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2012