78
日本人写真家、須田一政の作品集。これまでに無いアプローチで本を作るという、作者との約束から誕生した一冊。2019年1月から始動した本書制作プロジェクトは、惜しくも作者の死後(2019年3月7日)に果たされることになった。本書に収められている写真は、2019年11月に作者のアーカイブからセレクト。1971年から1983年にかけて撮影された作品は全て本書にて初公開となる。作者独特の本質的に都会的な風景が対比と幻想の中で展開していき、どこか場違いな動物と子どもたちのいたずらっぽい表情が街の通りに満ち溢れ、日常的なシーンに奇妙な雰囲気を醸し出している。東京とその周辺の県に広がる作者の印象的な世界には都市のエネルギーが迸り、ユーモアを交えながらその本質を明るみに出している。須田作品のトレードマークである深くて強いコントラストを持つ黒も、これと同じエネルギーを持っている。
「(2019年11月のセレクト後に)フランスに戻ってから、須田が78歳で亡くなったことに気付きました。『78』は、あの日私たちが直感に従って選んだプリントの数とちょうど同じでした。この一冊を、この偉大な写真家に捧げたいと思います。」
― セシル・パンブフ・コイズミ(Cécile Poimboeuf-Koizumi)/「Chose Commune」設立者
― ディストリビューター説明文より
- 判型
- 280 × 240 mm
- 頁数
- 128頁、掲載作品78点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2020
- 言語
- 英語、日本語、フランス語
- ISBN
- 979-10-96383-16-0