M. River
出逢うことの歓び。見ることの振幅。
「M. River」は、屋久島に流れる太古の源流を撮影したシリーズです。「Materia」から始まった命の大本(おおもと)を撮影しようという試みは徐々にその姿を変え、命の根源に迫ろうとしています。
「カタチを失い、ぼやけ、光のかたまりとなった水や植物や石は、しかし写真の上で強烈な像として我々の眼前につきつけられている。これは、ただのエフェクトの遊びではない。『観る』ということの客観化、可視化なのだから」(後藤繁雄)
「M. River」に特徴的なのは、写真に欠くことのできないディテールを犠牲にし、その奥に顕われる命、歓喜のエネルギーに集中して向き合う作品です。一方で、同じ場所にカメラを向けながら、ディテールの豊かさ克明さが、異様さを引き起こすような作品も存在します。人が「見る」ということの振幅を、写真によって探求しようとする意欲作。全20点。
- 判型
- 240 × 294 mm
- 頁数
- 58頁
- 製本
- 並製
- アートディレクション
- 中島英樹
- 発行年
- 2013