椿の庭
海を望む家。花々が揺らぐ庭。
日々を慈しむ家族の記憶と生が響き合う、珠玉の写真集。
写真集『椿の庭』は、「上田義彦映画作品」から生まれた一冊です。写真家として重要な軌跡を辿ってきた上田義彦が、長年抱いてきたテーマをもとに初監督、脚本、撮影を務めました。そのフィルムから切り出され、少しの言葉とともに構成されたこの写真集は、ストーリーからふと浮遊しつつ、イメージが織りなす豊かな呼吸と時間を湛えています。
人がそれぞれに抱える喪失と記憶。その揺らぎを秘めつつ庭の傍で営まれる暮らしの所作。季節の巡りと響き合いながら生の、そして死への時間が進むなかに、静謐であり切実である美しさが立ち昇ってきます。写真と映像、本と映画のあいだに在ってこの一冊は、手に取るひとりひとりと交わり、さまざまな記憶と今を呼び覚ましてくれるでしょう。
― 出版社説明文より
- 判型
- 148 × 223 mm
- 頁数
- 296頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2020
- 言語
- 日本語
- ISBN
- 978-4-86541-117-1