捏水|Kneaded Water
タイ出身・1990年代生まれの作家4名による作品集
社会規範と政治混乱があぶり出した「問い」と「表現」
本書はタイ出身のHarit Srikhao、Kamonlak Sukchai、Naraphat Sakarthornsap、Natthaya Thaidechaの近作とインタビューで構成された作品集です。この4名のビジュアルアーティストたちはそれぞれ1990年代初頭~半ばにバンコク近郊で生まれ育ち、2000年代以降に繰り返されるタイ国内の政治的混乱の顕現を思春期で目の当たりにしてきたという点において、共有可能なアンビエンスを有しています。いずれもイメージへの積極的・継続的な介入を通じて、長く隠蔽されてきた規範や権力が生活者たちの無意識に与える影響と、それらが引き起こす国家・社会・個人単位における行為や信念、身体のあり様についての考察を試みています。
なお、本書は東京・浅草の多目的スペース「RABA」の展示企画から生まれた書籍シリーズの第2弾となります。共同企画にタイ・バンコクを拠点にするアートフォト・プラットフォーム〈ARC TRIBE〉が、また編集協力にはアジア各地域のクリエイティビティとネットワーク構築の促進を目的に組織されたインディペンデント・プラットフォーム「UNLIRICE」が
それぞれ参加し、制作されました。
「彼ら/彼女らはそれぞれのレンズを通して、無比の物語を共有してくれる。それらの作品は、文化的規範、信念、集団的理解、社会的構成に向けられた挑戦のようでもある。そこで扱われるテーマが親密なものであろうと、あるいはより普遍的なものであろうと、それはつねに現実と幻想のあいだにたゆたう“捏水”として存在するのである」
― Kanrapee Chokpaiboon, ARC TRIBE in Bangkok(本書ステートメントより)
― 出版社説明文より
- 判型
- 240 × 168 mm
- 頁数
- 80頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2023
- 言語
- 英語、日本語
- エディション
- 450
- ISBN
- 978-4-9913101-1-9