Annual Series No. 4

この4冊組は、アメリカ西海岸・オークランドの出版社TBW Booksのアニュアルシリーズの第4巻にあたる。4冊の写真集はそれぞれ独立した作品として機能しながらも、すべての作品に共通する対話が行われている。

 

Book 1:クリスチャン・パターソン『Bottom of the Lake』
パターソンは、独自の視点と抑制されたスタイルで、前作『Redheaded Peckerwood』で一躍脚光を浴びた視覚的な物語をさらに発展させている。本書『Bottom of the Lake』では、故郷のウィスコンシン州を再訪し、暗く、冷たく、ビールに浸った、紛れもなく彼らしい世界を明らかにしている。『Bottom of The Lake』はその後、2015年にWalter Konigから出版された同名の大きな作品群の下地として機能することになる。

Book 2:アレッサンドラ・サンギネッティ『Sorry, Welcome』
サンギネッティは、写真家としての実力を証明した前作から一転して、『Sorry, Welcome』を発表した。本書は、2012年の冬、彼女の人生を垣間見ることができる作品である。この作品は、サンギネッティが自分の人生を覗き見するように一歩引いて、短期間で撮影された。新しい恋愛関係が距離の海を渡るとき、私たちは自分の娘に新しい姉ができるのを見ることになるのだ。この作品は先鋭的で優しく、家族という構造に対する愛情に満ちた賛辞である。

Book 3:レイモンド・ミークス『Erasure』
ミークの詩的な作品は、東海岸に新しく構えた自宅の周りを自転車で走りながら展開された。Googleストリートビューの客観性とロバート・フランクの探究心を融合させたスタイルで、コンクリートの上を走りながら、喪失と憧れを等しく共有し、写真を撮り続けている。露出を上げ、自身が「base fog」と呼ぶプリント技法を用いて、ミークは自分の世界観の中で「痛々しいもの、醜いもの」を文字通り覆い隠している。この暗室操作の手法により、不穏でありながら深く美しい、ユニークな一冊が誕生した。

Book 4:ウォルガング・ティルマンス『Utoquai』
本のタイトルをチューリッヒの浴場から取ったティルマンスは、本書全体を通して一人のミューズを深く個人的に視覚的に調査し、今アニュアルシリーズを締めくくっている。耳や目や膝のクローズアップ写真が、限りなく興味深く、かつ一個人の手によるものであることは稀であるが、ティルマンスはここでまさにそれを実現している。写真を通して人体を見つめ直すことで、私たちは現代を代表する世界的なアーティストの一人であるティルマンスの写真を見ることで、新たな理解を得ることができるのである。

― 出版社説明文より

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判型
279 × 228 mm
製本
ハードカバー
発行年
2013
ISBN
978-1-942953-09-8

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