Watering My Horse by a Spring at the Foot of the Long Wall
中国出身の写真家・徐曉曉(現在はオランダ在住)は本書のために、2万5000キロもの道のりのなか、万里の長城の麓に沿って人々の生活を追いかけました。多くの人が考えていることとは裏腹に、万里の長城は一つの連続した建築物ではなく、中国の様々な王朝時代に建てられた壁や塔の集合体です。これらは衰退しているにもかかわらず、城壁を敬い守る地元の人々と城壁との間には生き生きとした関係があります。
徐はこの史跡に急成長を遂げる現代中国の影響を探ろうとしました。壁は今日、何を反映しているのでしょうか? どのような要素が消え、どのような跡が残っているのでしょうか? 万里の長城の麓の村々は古い伝統に基づいて人々が生活している最後の場所と言われていますが、徐はここでもその伝統が徐々に失われつつあることを発見しました。徐の作品はその過程の視覚的な変容に焦点を当てています。場所から場所へ、彼女は過去を垣間見ようとしています。
本書内には、写真、中国の視覚文化、プロパガンダを専門とする作家であり、美術史家でもあるMaria-Caterina Bellinettiのエッセイを収録しています。Bellinettiのエッセイでは、象徴としての壁について書かれており、徐の作品と壁の歴史を結びつけています。
- 判型
- 333 × 235 mm
- 頁数
- 112頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2020
- 言語
- 英語
- ISBN
- 978-94-92051-48-6