shashasha 写々者

本書『Tempête Après Tempête』に収録されている写真は、2019年夏、Rebekka Deubnerが2度目の福島県への旅で撮影したもの。2011年3月11日、福島県は、地震、津波、そして最後に福島第一原子力発電所の爆発という3つの大災害に見舞われた。

解体は消滅をもたらすだけでなく、新たな生命を生み出す契機となる。本書は、住民のクローズアップ、散乱した土地の破片、海の風景の細部、昆虫、人間、海藻、身体の破片などの動く自然界の要素を通して福島を描き、それらが融合して新しいハイブリッドな身体を作り出している。

Deubnerにとって、クローズアップで撮ることは、彼女の作品制作に欠かせない方法だ。近接した視点から物を見ることで、まるでカメラのレンズが彼女の触覚の延長であるかのように、その物質感や質感を直接目で感じることができるのである。それはまた、彼女と被写体にとって一種の瞑想のような体験を可能にする。散らばったピースが全体として理解されることのなかったこの土地の証しを、時間をかけて作り上げていく。