Chapter 4
2021年5月1日〜7月3日までファーガス・マカフリー 東京で開催された同名展覧会に併せて刊行。
ダン・ソルバッハの秀逸なデザインが印象的な、美しいアーティストブックに仕上がっている。
ジャンニ・ジェッツァー(キュレーター)がテキストを執筆。
2002年、共通の友人であったキュレーターのジャンニ・ジェッツァーの紹介を通して、とても似たマインドを持つリタ・アッカーマンとアンドロ・ウェクアは出会いました。それはすぐにコラージュやドローイングをFAXで送り合うやりとり、Zine『Chpater 1』の自費出版、その後『Chapter 2』、『Chapter3』のNieves(スイス)からの出版へと発展していきます。写真、音楽、詩、日常会話に触発される二人は、電話、留守番電話、携帯のメッセージ、Eメール、画像の交換など様々な方法を通して、離れた相手へのコミニケーションを行います。それはまるで、物理的な距離がより、二人が似通ったイメージや出来事に心を惹かれるということを強調しているかのようです。
― ファーガス・マカフリー 東京で開催中の同名展覧会情報より抜粋
リタ・アッカーマン
1968年ハンガリー・ブダペスト⽣まれ。1990年代半ばに渡米、現在はニューヨーク在住。具象と抽象が混在する彼⼥の作品には、⽣み出すことと破壊することへの相反する衝動が感じ取れる。ドローイング、コラージュ、ペインティング、インスタレーションなど幅広い表現で現れる、ファンタジーと現実が混在する独特の世界は国際的評価を受ける。サーストン・ムーア(Sonic Youth)のソロアルバム・カバーや、ファッションブランドのSupreme、Chloéとのコラボレーションなど、ジャンルを横断した活動を続ける。1997年⽇本で出版された『リタ・アッカーマンワークス 1993-1996』と1999年出版の絵本『REVELATIONS』は東京のカルチャーシーンに⼤きな影響を与える⼀⼤センセーションとなった。これまでに世界各地で多くの個展が開催されている。
アンドロ・ウェクア
1977年ジョージア・フスミ⽣まれ。ジョージア、スイス・バーゼルでビジュアルアートを学び、現在はベルリン在住。歴史的事実、⼈物、動物、⾵景など記憶の破⽚のようなイメージやフィクションの世界が交錯する不安定で掴み所のない彼の作品は、固定されたストーリーを否定しながらも、⾒るものの記憶や感情に直接訴えかける親密性を持つ。絵画、彫刻、コラージュ、アッサンブラージュなど様々なスタイルで⽣み出される作品は彼⾃⾝の経験から⽣み出されたイメージを取り込みながら、主観と客観の境界に現れる、曖昧で固定された定義づけをすり抜けるような歴史・個⼈史を語る。2018年にクンストハレ・チューリッヒでの⼤規模な個展のほか、ガレージ現代美術館(モスクワ)、クンストハレ・ウィーン、フリーデリキアヌム美術館(カッセル)での個展、ヴェネチア・ビエンナーレ、グッゲンハイム美術館でのグループ展ほか、展覧会多数。
ダン・ソルバッハ(本書デザイナー)
クンストハレ・チューリッヒのグラフィックデザイナー、Dan Solbach Design Studioのディレクター。10年以上にわたる著名アーティストやギャラリーとのコラボレーションの経験を持ち、無駄を削ぎ落としたクリーンで洗練された彼の作品は⾼い⽀持を得ている。在住のスイス国内で多数のデザイン賞を受賞。2018年には、クンストハレ・チューリッヒでのウェクア個展に際し出版された、作家のキャリア全容を掲載する図録のデザインを担当。
- 判型
- 390 × 300 mm
- 頁数
- 76頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2021
- 言語
- 英語、日本語
- ISBN
- 978-4-908526-42-8