Ayu no Kaze
日本最古の歌集、万葉集にある「あゆのかぜ(東風)」は、「約束の風」を意味する船乗り言葉である。海が陸にいろいろなものを運んでくるように、この言葉は日本列島に広がり、漁師や商人、旅人や移民が歌う民謡として、庶民の生活を織りなしてきた。
渡米後、島崎は何度も日本に戻り、母国を訪れた。早朝から一人で撮影を続け、北陸から中部、そして沿岸部まで、夏と冬の田園風景を撮影し続けた。
穏やかな日差しと猛烈な吹雪の中をたった一人で撮影した彼女のイメージは、取り残された土地の探求である。憧れと静寂のダイアリーである島崎の視線は、私的でありながら普遍的な人生の転機を詩的に暗示している。
『生活や文化が変わっても、あゆのかぜは毎年帰ってくる。それは私に永遠を語りかけてくるのです』
― 島崎朝子
― 出版社説明文より
- 判型
- 223 × 158 mm
- 頁数
- 80頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2019
- 言語
- 英語、日本語
- エディション
- 750
- ISBN
- 978-1-942953-41-8