茜と梅
茜と梅、二つの植物の名前が寄り添う本書は、野村次郎が継続して撮影してきた家族の時間にまつわるシリーズです。
梅の原生林が残る郊外の家。幾度も現われる窓からの光景は、内側で営なまれる暮らしの濃淡を鋭く意識させます。
時系列で刻まれるポートレートは、最も身近な人びとでありながら、静かに張りつめ、微かな傾きを予感させます。
死のような出来事すら、そこを流れる時間そのものを際立たせる── カメラは、抗いようのないその力を写しながら、同時に、響き合う生命体に反応します。
噴き上げるような梅の花、水の渦、雪のなかの犬、見つめ返す女性......。
存在の危うさこそが光となる、野村次郎、珠玉の写真集。
— 出版社説明文より
- 判型
- 205 × 245 mm
- 頁数
- 96頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2018
- ISBN
- 978-4-86541-075-4