Me De Ru
"愛でる"とは見て愛するというニュアンスの言葉だ。近所のごみ捨て場、友人、亡くなった祖父、妻の妊娠から出産、旅行先の風景。本作に収められた作品は、ほとんどが上野裕二の私生活である。並べられた光景に目新しさはないかもしれないが、素通りできないなにかを感じさせるのは、愛でるという不断の行為を執拗にまで意識的に継続しているからだろう。そこにあるのは、逡巡する日常への愛と、もっと愛したいという望み、そして現在進行形の確かな希望の眼差しである。
フリーランスフォトグラファーとしての多忙な日々と並行して、作品を撮り続けてきた著者初となる本格的な写真集。
私には足りない
愛が足りない
愛することが足りない
正解はいらない
唯一の希望なのだ
今こそ心を穏やかにして
大切に大切に
記憶を愛でる
(ステートメントより)
― 出版社説明文より
- 判型
- 210 × 297 mm
- 頁数
- 64頁、掲載作品47点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2018