A Journey in Reverse Direction
朱岚清の故郷、中国福建省の小さな島・東山島で本作は制作されました。中国の多くの地域がそうであるように、朱の地元である東山島も急速な近代化が進み、かつてそこにあった光景はどんどん失われていっています。また、景色だけではなく、それに伴って、伝統的な暮らし(衣食住など)も大きな変化を遂げて、自分の故郷がまったく違ったものになってきている現実があります。
朱は、多くの写真を撮影し、収集してきたものをまとめることによって、本作を作り上げてきました。彼女にとっても「記憶の薄暗い中を旅するような」ものであるが、自分たちにとって故郷とはなにかを問いかける1冊です。
― ディストリビューター説明文より
これらの写真は、福建省の張州に位置する東山島で撮影された。
中国の近代化した都市の急速な発展は往々にして故郷を離れた人が記憶喪失のようになり、ここにかつて自分の故郷が存在したことがあること忘れさせてしまう。本当にかつて存在した場所を忘れてしまうのだ。
その足どりを追い、イメージで変化を撮影という行為で「立ち向かう」していくしかない。
故郷は私が生まれた時から影響を与え、私を形作ってきた。本書の冒頭にあるように、私は祖母の部屋で見つけた祖先からの伝統衣装を着ていた。故郷と私はこのように相互作用している。おそらく私が見ているのは、それが私が見たいものかもしれない。私の故郷の写真を撮ることは、記憶の薄暗い中を旅するようなものでした。
本作では、故郷にある八尺門というダム、家庭、食料、土、神々、海という要素を私の故郷を再構築する手がかりとして、収集した故郷の記憶と現実の断片を一冊の本にまとめた。
このような形で、これらの紙に空間、人、物を凝縮させ、何層にもわたって覆い、広げ、故郷と私の意味を示したようなものです。この作品は私の故郷の本書で再現しています。それは、都市化が徐々に進む過程の断面図であり、私たちにとっての家が何を意味するかを考えることのきっかけになるでしょう。
― 朱岚清
- 判型
- 170 × 230 mm
- 頁数
- 144頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2020
- 言語
- 英語、中国語