道
大津波で防波堤も家も流されてすべてを失った村とか街を歩いていると、地面にはここに道があったという痕跡があり、訪れた人たちがその痕跡の上を歩いて踏み固めてまた道になっていた。その道には命があるようだった。長い間にいろんな人たちが歩いて、踏み固めてできた道を、わたしは今までたくさん写真に撮った。そういう道といま被災地で見ている道がかさなり、そしてまた私の出生地中国鞍山からの、日本敗戦による引揚者としてのわたしたち家族の思重い道のりがかさなるように感じた。(北井一夫)
- 判型
- 280 x 205 mm
- 頁数
- 112頁、掲載作品55点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2014
- 言語
- 英語、日本語
- 限定700部