煙突のある風景
結局、「煙突のある風景」は煙突が高かった時代への郷愁だったのだ。当時の私がそれを全肯定するとは思えないが、数十年経た私にはそう見えてならない。
最近は技術が進み、都内のほとんどの煙突からは煙が出ない。白煙の正体も水蒸気だったりする。火葬場の火葬炉も電子レンジ化して、家族で煙を見送る光景もすでにない。果たして私などは、煙の力を借りずに天国へ上ることが出来るのかが気になるところだ。
― あとがきより抜粋
- 判型
- 220 × 285 mm
- 頁数
- 110頁、掲載作品52点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2019
- 言語
- 英語、日本語