TRYADHVAN
時間のつらなりの中、命の在り処を見つめる。
「TRYADHVAN」(トリャドヴァン)は、サンスクリット語で三世(過去世、現在世、未来世」をあらわす仏教用語。 僧侶と結ばれ寺院に暮らす古賀にとって、日々にその時間の巡りや因縁は息づくものであっただろう。そして授かった新たな命の存在により、古賀はさらに未知の時間の深みへと触れていく。
体内にふたつの鼓動がある日々、変わりゆく身体──抱えこむ不穏さや、突き上げるような衝動をカメラは捉え、自身でありながら自身ではない不可思議の生身が立ち現れる。その目に映る身のまわりの静物や寺院の営みは、聖と俗とを超えて呼応し、深々とした闇も眩む光も静かな緊張感に満ちて一枚のなかに共存する。
自身の存在とは何か、その源となる命とは何か、、、紐解いた古い家族アルバムや過去帳のなかに立ち上がるもの。時間のなかを行き来しながら、自らを手放し自らをたしかめる写真の有りよう。
古賀絵里子が本作において旅をしたのは、自身の内なる、そしてそこから無限につづく三世の時間だった。
全ページ袋綴じ、和綴じの装丁のなかに、光陰が息づく代表作。
― 出版社説明文より
- 判型
- 210 x 260 mm
- 頁数
- 116頁
- 製本
- ソフトカバー、和綴じ
- 発行年
- 2016
- 言語
- 英語、日本語