STILLED
イギリス人フォトグラファー、エドワード・ディムズデイル(Edward Dimsdale)の作品集。作者は写真印刷の古典技法を30年間に渡って研究、応用し続け、息をのむほど美しく情感豊かな作品を作り続けてきた写真印刷の匠とも言える人物である。俳句には通常、永遠なるもの、つかの間の儚きもの、そしてこの2つが揃った瞬間に現れるもの、この3つの要素が含まれているが、それは本作にも通じるところがある。作者のアナログプリントは、1つのディテール、瞬間、ジェスチャーなど、何か非常にシンプルなものであることが多い。それは些細なこと、例えば半玉がちらりと投げかけた視線であるかもしれないし、冬空を背景とした裸の木の枝であるかもしれない。作者は暗室に入ると複雑な手順を用い、撮影時に感じた感覚のようなものを再現しようと試みる。1つのフィルムのネガから紙の複製ネガをいくつも作りだすことで、特定の部分の画質を落しつつ他の部分を強調することができる。これは歴史的な技法を現代の技術で洗練した手法であり、コピーをもう一度コピーする行為に近い。
― ディストリビューター説明文より
- 判型
- 400 × 578 mm
- 頁数
- 24頁
- 製本
- ニュースペーパー
- 発行年
- 2017
- エディション
- 750