アンヌ・アアルトを探して
「彼女が亡くなって四十九日が過ぎた頃、両親が蒼穹舎に彼女がストックしていた未使用フィルムを置いていった。その日個展をしていた千葉さんが受け取り、翌日、店番の私にその中から5本のフィルムが分けられた。
その夜、彼女は夢の中に現れて、写真を撮りたいと言った。私は早朝に目覚めて、もらったフィルムを装填して家を出た。朝6時頃。撮り始めたら、「たたらん、世界はこんなにきれいだったのね」と彼女の声が聞こえた。
もう会えない人を想うとき、少し眩暈がする。この世を去った全ては遠くから私を見ている。」
― 多々良栄里(本書あとがきより)
2022年に亡くなった『Time As River』(蒼穹舎 2019年刊)の作者、アンヌ・アアルト。
偶然、遺品の未使用フィルムが友人で写真家の作者の元へやってきたことから生まれた写真群。
人は亡くなっても絆は消えることはなく、むしろ強まることを表している。
- 判型
- 197 × 152 mm
- 頁数
- 76頁、掲載作品64点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2024
- 言語
- 英語、日本語
- エディション
- 150