Belongings 遺されたもの
石内都が自身の母の遺品を撮影した「mother’s」は、母を失った喪失感。
そして、母ともう一度向き合う過程から生まれた。
その後、「mother’s」は「ひろしま」、「フリーダ・カーロ」と続く、作家の代表作 を生み出すこととなる。「mother’s」に加え、「母が導いてくれた」と作家が語る2作品を「遺品」をテーマ にまとめた初の作品集。
ひとりの女が「母」としてだけでいるのは苦しい。
ひとりの女が「ひろしま」の被害者としてだけで語られるのは悔しい。
ひとりの女が「フリーダ・カーロ」でいるのは耐えがたい。
石内都の写真は、「母」や「ひろしま」や「フリーダ・カーロ」といったレッテルから彼女たちを解き放ち、ひとりの女として立ち返らせる。
―「石内都 の『遺品』」笠原美智子
- 判型
- 288 x 232 mm
- 頁数
- 160頁、掲載作品120点
- 製本
- ハードカバー
- 発行日
- 2015
- 制作
- FAPA (日本芸術写真協会)
- エディション
- 2000