African Spirits
カメルーン生まれの写真家、サミュエル・フォッソの作品集。2008年に完成したこのセルフポートレートシリーズで、フォッソはアンジェラ・デイヴィス(思想家/活動家)、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、パトリス・ルムンバ(コンゴ共和国初代首相)、クワメ・エンクルマ(ガーナ初代大統領)、レオポール・セダール・サンゴール(セネガル初代大統領)、マルコム X、その他20世紀の黒人解放運動における著名人の姿に自分を重ねた写真を撮影した。彼の写真は、1968年に『エスクァイア』の表紙を飾ったモハメド・アリの写真や、1956年にアラバマ州モンゴメリーでバスボイコット中に逮捕されたキング牧師の顔写真など、象徴的なイメージに言及している。これらの歴史的な写真を再解釈したフォッソは、オリジナルの写真に写っている人物に敬意を表し、個性、有名人、メディア、表現の複雑な歴史について疑問を投げかけている。
― 「Samuel Fosso: African Spirits」展説明文より抜粋
奴隷制度は、自由、解放、植民地主義、権力といったあらゆる問題とつながっていると考えています。私にとって、奴隷制度は源流であり、本当に深いところでそれを扱いたかったのです。私の目標は、アメリカの公民権運動におけるキング牧師から、アフリカの独立・解放運動におけるクワメ・エンクルマ、レオポール・セダール・サンゴール、エメ・セゼール(詩人/評論家)まで、この歴史における重要なイメージや人物を再演することでした。私の考えでは、これらの闘争には一つの共通点があり、それは奴隷制の歴史です。そして、これらの人物は、自分たちの文化と人間としての尊厳を取り戻すために、黒人の自由という思想に傾倒していたのです。これが“African Spirits”の根底にあるコンセプトだったのです。
― サミュエル・フォッソ
- 判型
- 420 × 330 mm
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2022
- エディション
- 400