Absentee
『Absentee』は、私たちの存在の時間性をテーマにしています。市田自身の身体を中心に、私たちが普段見過ごしているような日用品が並べられ、人物と人工物の境界が消え、混ざり合い、常に変化し続ける状態を想起させるのです。この作品群は、自己や現実からの離脱、不在の感覚を喚起するものです。
「10代後半に母を亡くして以来、私は死に関する考えから自分を守ってきました。しかし、15年後、世界的な大流行が心理的な影響を及ぼし、悲しみと喪に服す時期が訪れました。このシリーズを制作することで、死を想起させることによる不安や不確実性といった感情的な困難を克服することができました。オブジェクトは徐々にその存在を明らかにし、さまざまな感情の状態を暗示しています。身体の曲線と人工物の厳しい人工的な線との間の視覚的な二項対立は、私の感情の状態が冷静さと不安の間で揺れ動く様を反映しています。私たちは自分の死というものを軽視しがちです。時に、直感的な認識が表面化し、生命のはかなさを思い知らされます。」
― 市田小百合
― 出版社説明文より
- 判型
- 180 × 146 mm
- 頁数
- 122頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2022
- エディション
- 500