言葉を探す
それまで写真集には言葉を寄せることがほとんどなかった村越としやによるテキスト本。村越は1980年、福島県の須賀川市生まれで、18歳までを須賀川で過ごした。実家から福島第一原発までの距離は60キロ。本書には、2011年3月11日から2012年8月30日の日付による日記と、短めの散文ともエッセイともつかぬ文章にQ&A式のインタビューが挟み込まれている。無作為にページを入れ替えた箇所があるため、個体差が存在するという。最終ページには62 x 75 mmのプリントが貼りつけられている。
写真に言葉をつけるのはとてもデリケートなことで、つけた言葉で写真のイメージもだいぶ変わってしまう。
既に存在している言葉の中から、説明的になりすぎず、少しでもぼくの気持ちに近い言葉を探すことは被写体を探し写真を撮り発表することと似ているような気がした。
写真をとることも言葉を探すことも、どちらも今のぼくにとっては写真行為なんだと思う。
― 村越としや
- 判型
- 210 × 148 mm
- 頁数
- 81頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2012
- 言語
- 日本語