3AM
コンクリートに常に触れられる果てしなく続く橋、耳障りなノイズの交響曲、男女間の境界線を曖昧かつ無関係にさせるスペクトル、生から死への移り変わり、孤独を忘れようとするための一瞬の力や忘却を探し求めている人々を包み込む、手軽に入手できる贅沢品から人間に至るまで、あらゆるものが売りに出されている場所で親密性を探すこと、リアリティのしくみそのものを追い求めること-
フランス人フォトグラファー、ティアン・ドアン・ナ・チャンパサック(Tiane Doan na Champassak)、タイ人フォトグラファー、オリヴィエ・ピン=ファット(Olivier Pin-Fat)、トーマス・ヴァンデンベルグ(Thomas Vandenberghe)、イタリア人フォトグラファー、ローラ・ロダリ(Laura Rodari)、日本人フォトグラファーの横田大輔と滝沢広らからなる写真家集団「AM Projects」が、1冊の写真集を制作するため出版社「Akina Books」のアレックス・ボチェット(Alex Bocchetto)と共にバンコクに集まった。撮影に1ヵ月、制作に1年を要した本書は、他に類を見ないような実験的共同プロジェクトであり、出版を手がけたAkina BooksとAM Projectsとの長きに渡るコラボレーションはサイケデリックな体験を見る者にもたらす。
2016年、バンコク。シンプルで野心的なアイデアを携え「AM Projects」チームはアレックス・ボチェットと共に1ヵ月の撮影旅行に旅立った。人混みの中やチャイナタウンの地獄のような混沌、バンコクの繁華街の真ん中に撮影の拠点を置いたが、写真家たちはサイアムスクエア、シーロム、スクンビット、リバーサイドなどに散らばり、各々の持つ視点に従い旅を始めた。氷工場、コンクリートの橋、郊外、ゴーゴーバー(ナイトクラブ)、地下道、外国人の溜まり場、廃れてしまったかつての高級団地、ホテルの部屋やロビー、ホール、混み合った夜の市場、荒廃した売春宿、止まらない汗、そして明け方の裏通り…
― 出版社説明文より
- 判型
- 240 x 330 mm
- 頁数
- 196頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2017