Zeche Westfahlen I/II Ahlen
日本人写真家、畠山直哉の作品集。本書は、ヨーロッパの中で最大かつ最も人口が密集した工業地域の一つであるドイツのルール地方における、700年にも及んだ石炭鉱業が存在した証明とも言える一つの記録である。今日に至るまで、ルール地方が位置するノルトライン・ヴェストファーレン州では約96億トンもの無煙炭が採掘されてきている。時は遡り2000年6月30 日、州内の都市アーレンでは、ゼッヘ・ヴェストファーレ ン(Zeche Wextfahlen)の閉鎖に伴い、 ヴェストファーレン鉱山会社(Bergwerkgesellschaft Westfahlen) が1902年に開業して以来約100年に渡り続いた鉱山業の歴史に幕を閉じた。この閉鎖による社会経済的影響は甚大であり、まるで反響するように派生していった。作者は、州政府が導入した都市・地域マネジメント手法「レギオナーレ(REGIONALE)2004」からの依頼により2003年10月から翌年2月までアーレン州で撮影、一世紀以上もの間何万という労働者たちが携わったその場所と建物を記録した。結果として生まれた作品は、かつて極めて重要とされていたこの工業地帯を記録した貴重な資料となり、最終的にその場所は発破によりすっかり取り壊された。今そこを訪れても、その広大な地に何があったのか誰も知る由もない、空っぽの場所となっている。
― ディストリビューター説明文より
- 判型
- 280 x 330 mm
- 頁数
- 80頁、掲載作品131点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2006
- 言語
- 英語