shashasha 写々者

海を挟んだ韓国と日本を行き来しながら作業する写真家Area Parkの作品集『Two Sides of the Sea』。「説明できない、または関与することのできない事柄や状況に対し私にできる事は充実な記録のみである。」という作家の言葉のように、20余年間の時間の軌跡を経た、記録に充実した彼の写真の旅程を余すことなく取り込んでいる。

1990年代から2015年までのシリーズを網羅した初写真集となった『Two Sides of the Sea』は、大きく３つの部
分で構成される。最初のセクションでは、初期作の「386 Generation」と「Seoul, A Society of Gap」、「Boys in the City」など、Area Parkが持続的に関心を持ち続けてきた都市と個人の関係や韓国社会が持つ不条理さを露にさせた作品を見せる。二つ目のセクションは海洋警察の巡視船に乗り、東南アジアを航海しながら船の窓から眺めた海シリーズで構成される。最後のセクションは、日本に留まる当時経験した3.11大地震以降その痕跡を記録する「Way of Photography」シリーズ、廃墟になった災害現場で発見した「金子まり・アルバム」。また、写真批評家で機械批評家であるイ・ヨンジュンのエッセイ「二面の海、二面の写真」が収録されている。韓国語・英語・日本語テキストの同時収録。