歲月印樣 The Invisible Contact 1959-1961
張照堂は、1959年から1961年成功高等学校在学中、写真部に入部し当時の台湾の最も著名な写真家の一人、鄭桑渓の指導を受けた。若き日の張照堂は、写真のアレンジの仕方、様々なアングルからのイメージの捉え方などをみるみる吸収していった。学校や仕事場へ続く道、農村、川や海岸、また、子供から動物、通行人あるいは農民、労働者達・・・高校時代の作品から、庶民の生活に魅せられ、作品の主題とする事は始まっていた。
この時期、張照堂は兄から借りたAires Automat 120二眼レフカメラを使用している。その為、立って写真を撮る時はファインダーは腰の高さにあり、しゃがんで写真を撮る時はファインダーはより地面に近づいた。結果として、写真の多くは、下から上を見上げるようなアングルになっている。それに加え、彼は特にシャイな若者で、人々に面と向かってカメラを向けることを避けるために、遊んでいる無防備な子供たちや、遠巻きから大人を撮る構図を好んだ。時には率直で純粋、また時には少し孤独なこれらのイメージに、早熟ではあるがまだあどけない青年の世界観を見ることができる。
作家の阮慶岳は語る。「これらの貴重な初期の作品に、すでに張照堂独自の写真の創造性の輪郭があらわれている。熱中しつつも鋭い観察力を持ち、静謐で、よそよそしくはないが馴れ馴れしくもない。不確かさと疑わしさの背後に、そこに存在するもの全てへの愛がある、彼が持って生まれた世界観を垣間見ることができる。未熟で臆病、世界に期待しつつも当惑している、若くて感受性の強い、自然が産み落とした魂のような作品である。」
- 冬青社「少年心影 Images of Youth(1959-1961)展, 2014」
- 判型
- 210 x 250 mm
- 頁数
- 143頁
- 言語
- 英語と中国語
- 製本
- 並製本
- 発行年
- 2010