新編 津軽 聊爾先生行状記
秋山亮二は戦後日本を代表する写真家のひとり。『津軽・聊爾先生行状記』は1978年に自身初の写真集として発表された、秋山の初期の代表作です。70年代半ば、しばらく東京を離れて暮らしてみたいと思い立った秋山は、ユニークな発想のもと、新たな作品づくりに取り組み始めます。それは「仮想の支局長として自らを地方都市に派遣し、その暮らしを仮想の本社へ写真でリポートする」という試みでした。家族とともに1975年夏から1977年春にかけて青森県弘前市に移り住んだ秋山は、津軽の地で過ごした月日と、出会った人々を写真で記録していきました。これらの写真群は、戦後の高度経済成長を糧に発展する地方都市の文化をとらえつつ、津軽の人々の日常と人生の機微を、彼らに心を重ねようとする写真家の人間味あふれる視点から表現しています。収録作品42点の内、4点が1978年刊行版には未収録の作品。
秋山亮二プロフィール/1942 年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業後、AP 通信、朝日新聞社写真部を経てフリーの写真家に。6×6版の二眼レフで人々の生活を撮影し、NY、インドネシア、中国など「旅する者の視点」から対象を淡々と捉えた作品を発表し独自の世界観を構築した。作品はニューヨーク近代美術館、東京都写真美術館、宮城県立美術館、呉市立美術館、川崎市市民ミュージアムなどに収蔵。作品集に『光景宛如昨 中国の子供達 II』、『你好小朋友―中国の子供達 復刻版』(ともに青艸堂)『津軽・聊爾先生行状記』(津軽書房)、『ニューヨーク通信』(牧水社)、『楢川村』(朝日新聞社)、『奈良』(游人工房)など。
― 出版社説明文より
*サイン入りオリジナルプリント付き限定版(100部限定)も同時刊行
- 判型
- 210 × 210 mm
- 頁数
- 96頁、掲載作品42点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2020
- 言語
- 英語、日本語