山遊鹿々人々図
日本の伝統文化や芸能にも通ずる日本独特の空間概念である「間」「余韻」「余白」(寄稿文より引用)を写真表現の中心に据え作品制作に取り組み、Mio 写真奨励賞10周年記念作品賞受賞や上野彦馬賞 日本写真芸術学会奨励賞を受賞するなど各方面からの高い評価を集める多田ユウコの初めてとなる作品集。その概念は写真のみに収まらず、装丁や特殊スリーブなど作品集の作りそのものにも明確に表現されている。
写真は、ある意味「間」を切り取る手段です。しかし「間」と一言にいっても、多数のベクトルが存在する概念です。写真を撮る行為においても、撮る瞬間、被写体との距離感、写っているものの関係性、構図の空間構成⋯⋯撮った後は空間としての展示方法、写真を見せる流れ、リズム感⋯⋯など、あふれるように「間」が交錯している事を感じます。
私は、その写真という表現方法を用いて、作品の中に多方向から交差するような「間」を自ら見出し且つ実験的に撮影し、遊びの中で明確に表現してゆきたいと思います。
そして、その可能性を探ってみることが私の写真家としての課題だと感じています。
(寄稿文より)
― 出版社説明文より
- 判型
- 287 × 210 mm
- 頁数
- 40頁、掲載作品28点
- 製本
- ハードカバー、特殊スリーブ入り
- 発行年
- 2018年