風に転がる紙屑に書かれたような美しい、光と踊るネズミのグラフィティ史
―どこかで読んだマノエル・ド・オリヴェイラの発言、”説明をほどこそうとはしない光にひたっている、あふれんばかりの素晴らしい記号たち”という言葉に惹きつけられながら― という展示の際に書かれたステートメントにあるように、一連の作品群は2012年頃から2018年にかけて、都市に転がる記号、都市を構成する雑多な対象を静物としてひとつひとつ切り取り、撮影と展示を繰り返し行いながら発表、更改が続けられた。その過程でグラデーションのように自然に視線や対象が雑景やイメージ、グラフィティへと移っていった。それらは昨年までに「都市と物ども三部作」として企画され、第一部、第二部が少部数のZINE形式で出版された。本作は第一部、第二部に未刊行の第三部と共に新たなカットが加えられ再編集、完結された。フィルムによる圧倒的なモノクロ写真群は、やがて沈黙に似る——。
― 出版社説明文より
- 判型
- 297 × 210 mm
- 頁数
- 96頁、掲載作品47点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2018
- 言語
- 英語、日本語