shashasha 写々者

NYブルックリンとUAEのアブダビを拠点に活動するファラ・アル・カシミは、カメラを関係性の道具として理解している。彼女の作品は、ソーシャルメディアの感情性や、公共空間と私的空間の再構成に注意深く目を向けることで、現在の技術的状況の社会的・政治的意味を探求している。

本書のタイトルは、アル・カシミの写真作品「Star Machine」（2021年）にちなんでいる。この自画像は、ラウンジルームのソファに横たわり、投影されたスター・マシーンの星々に劇的に包まれる作家の姿を描いている。2週間の隔離生活の後、アーティストがスター・マシーンを使って周囲の単調な環境を超越しようとするセルフポートレートであり、Rachel Cieślaのキュレーションによる西オーストラリアアートギャラリーでの同名の展覧会に付随するものである。アリババの商人から入手したファウンド・イメージに包まれた、新作と既存の作品から選りすぐりの写真を紹介する本書は、日常生活を超えた超越を求める私たちの共通の願望を物語っている。カメラを関係性の道具として理解するアル・カシミのハイパー・カラーで質感豊かな写真は、私たちが今日の世界の中で、人や場所、存在のあり方をどのように見、感じ、接触しているかに焦点を当てている。

西オーストラリアアートギャラリー、サイモン・リー財団アジア現代美術研究所とのコラボレーションにより刊行。