神游

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神游

洪鋭深周文昊

出版社:Automatism Studio

2024年春、中国の写真家、洪鋭深と周文昊は中国福建省の福州を訪れ、地元の游神(Youshen)の行列を撮影した。游神は、中国南東部の沿岸地域、特に福建省西部や広東省東部などに広く見られる伝統的な民間活動である。その歴史は、呪術、儒教、道教などの古代の宗教的信仰や民間伝統にまで遡ることができる。長い時間をかけて、游神は各地域特有の多様なパフォーマンススタイルや儀式を発展させてきた。地元の信者たちは、新年や各神々の誕生日などの祝い事の際に、神々への畏敬の念と祈りを込めて、盛大な游神の行列を自発的に組織し、執り行う。その際、主催者側は寺院から本尊を招き、椅子席に座らせて通りを練り歩き、信者たちから拝礼と祈りを受ける。行列の参加者は、さまざまな神や伝説上の人物に似せた凝った衣装や化粧を施し、地元では「塔骨」と呼ばれる神将に扮する。塔骨は通常、行列の途中で2人1組で登場し、お供をする小さな「召使い」のような人物を従え、祭りは朝から晩まで続く。

行列中の花火や爆竹の破裂音は、神と人間の境界を曖昧にし、天と地を結ぶ架け橋の役割を果たしているようだ。地元の人々にとっては、神々と踊る喜びにも似た、最も身近に感じる神事なのだ。生きた伝統である游神は、地域社会が神の祝福を求める重要な儀式としてだけでなく、一族の結束を強める情緒的な絆としても機能しており、このことがその永続的な存在感を物語っている。

部外者である洪鋭深と周文昊は、客観的な視でこの儀式を観察し、神々の世界が人間の世界と交わるつかの間の瞬間を、視覚的な混乱、祝祭的な雰囲気、異世界の華やかさを捉えた写真に記録した。本書のタイトルは、游神の行列に参加した時に惑いを感じていたクオリアを文字に言い換えようして、『神游』と名付けられている。

「初めて游神を見た夜、私は薄暗い田舎道を爆竹の音を頼りに行列に向かって歩いていると、腕を振るう巨大で少し不釣り合いな神像が見えてきた。けたたましい太鼓の音と方言で歌われる地元の民謡とともに、空気は霧のような煙と花火の灰で満たされていた。都会育ちの私にとって、その光景はまるで夢のようだった」
― 洪鋭深

「行列の中の塔骨たちの顔を見ていると、子供の頃、年長者と一緒にお寺に参拝に行ったときに見た神々の彫像を彷彿とさせるような、親しみやすさと奇妙さの両方を感じた。私は行列を追いかけながら、塔骨の下にいる人々の顔を覗き見するような視点で撮影した」
― 周文昊

― 出版社説明文より

キーワード: 中国

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判型
210 × 150 mm
頁数
132頁
製本
ソフトカバー
発行年
2024
言語
英語、中国語
エディション
150

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