そのにて
初めて足を踏み入れた日、一面雪で覆われたそこは濃密な光に満ちていた。すえた林檎の匂い、響く小鳥のさえずり。秋にずっしりと実をつけたであろう幹は雪を纏い、寒さに耐えながら小鳥の声を楽しむかのように時折ぐにゃりと曲がった枝を震わせ、はらはらと雪を落とす・・・
故郷の長野で偶然たどりついたりんご園。そこは濃密な光で満たされていた。魅せられて撮り続ける日々のなかで、祖母が逝った。火葬場で見た光と、りんご園の光が、重なって思えた。その時の「命とは、この光なのかもしれない」という思いが自身を突き動かし「世界は光に満ちている」そうであって欲しいという強い願いを込めて綴った写真集。
-作者説明文より
- 判型
- 167 x 242 mm
- 頁数
- 64頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2015
- 言語
- 英語、日本語
- エディション
- 500