Shoji Ueda
日本写真界における最も傑出した存在のひとり、植田正治(1913年-2000年)は、生まれ故郷である日本海沿岸、鳥取地方に対する深い愛着を終生失わなかった。彼の作品の大多数には、その故郷が背景として用いられている。
いわば定住型の冒険家であった植田は、季節の移ろいにあわせて表情を変える砂丘を、飽きずに見て回った。好奇心に満ちた彼の視線は、周囲のあらゆるものに向けられた。世界地図、風にそよぐ麦畑、ローラースケートを履いた少年、紀枝夫人の華奢なシルエット・・・・・・。散策に出ないとき、植田は季節の果物やがらくた類、つまりそこらで見つけた小さな宝物で構成した静物写真を撮った。
本書は、植田正治に捧げられた初の3ヶ国語版(和・英・仏)モノグラフ写真集であるとともに、彼のモノクロおよびカラー未発表作品の多くを初めて収録したものでもある。出版に当たっては、出版社たっての希望により、作家、堀江敏幸氏(『雪沼とその周辺』、『熊の敷石』)から、写真家植田正治の卓越した宇宙と響きあう短文を寄せられることとなった。
― 出版社説明文より
- 判型
- 290 x 220 mm
- 頁数
- 188頁、掲載作品99点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2015
- 言語
- 英語、フランス語、日本語
- ISBN
- 978-2-9548777-1-6