心臓
本作は作家自身による初の作品集です。
6年をかけて撮影された写真を「なまもの」というタイトルで何度かに渡って発表し
その度に矛盾を抱え、模索してきました。
そしてある日、家の窓から見えた電線を何気なく撮り、写真にしたことで心臓のように見えました。
もしかすると自分の写真たちは、馴染みのない場所を訪れた時に世界が平面的でグラフィカルに見えるような
そんな視点で撮っているのではと考えました。
世界をフラットに見ていたい、という願いが反映されている気もしています。
情報や知識がないからこそ見えてくるものがある、そんな感覚を頼りに制作しました。
装丁はあえて折れ曲がりやすく、「劣化」と捉えられやすいデザインにしていただきました。
時間が経って果たしてそれが本当に劣化なのか、読み手自身の視点で感じ取っていただけたら嬉しいです。
― 岡崎果歩
- 判型
- 355 × 280 mm
- 頁数
- 61頁、掲載作品31点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2022
- エディション
- 200