陸の珊瑚

第5回入江泰吉記念写真受賞作品である本作は、変化する普遍をテーマに自身の母の実家である牧場を舞台にしている。

誰しもが勝手に幼少時代をもち
世界の真ん中で生きてきたのではないだろうか。
それが少しずつ分別を覚え大きな流れの一旦になっていく。

幼少時代私は母の実家で過ごした記憶がある。
祖父母は私を愛で普段ではない非日常の生活が其処にはあった。
やがて月日がすぎると自身の立ち位置が代わり
かつての私のポジションにすげ替わる存在がいた。
この事に気がつき今作の制作に至った。

制作を始め時間を重ねるごとに人が持つ立ち位置がシフトしていく事に気がついた。
子供は青年になり、叔母、叔父は誰かの祖父母になる、
やがて天寿を全すれば其処に新しい人間が座る。
自身のケースでは祖父母が牧場を経営しており
その場所を中心にこの時間の流れが1つの舞台の様に進んで行った。
この事から家系とは時間の概念を強くもつ一つのコロニーであるという結論を得た。

時間と共に変化しいずれ形を変える生活共同体。
自身も含め多くの人はこの約束されない普遍と時間と舞台の中にいる。

― 眞岡綺音

キーワード: 家族

20.17

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判型
256 × 255 mm
頁数
86頁
製本
ハードカバー
発行年
2024
言語
日本語

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