菜園+サクラ
もう30年以上自宅近くの休耕地を借りて野菜を育てています。自家栽培野菜の形の面白さは市販されている規格品にはないもので実に豊かなフォルムでユーモラスでもあります。小さな種が大きな植物に成長する変化につきあい、おいしく食します。また畑で野菜が朽ちていくところを見ていると、まさに仏教の草木成仏、すべてのものが成仏するという生死の一体観念です。
― 百々俊二、あとがきより抜粋
本書収録写真は、百々が自分で育てた野菜を、インスタントフィルムPolaroid 55(4 x 5)を使い撮影された。植物の成長を捉えたこれらの”ポートレート”は、個体のキャラクターが露呈され、人間の個性を投影しているようにもみえる。春のシンボル「サクラ」では、ネガの劣化すらもが人間と自然との繋がりや、 <生>と表裏一体にある<死>を描き出している。
- 判型
- 215 x 175 mm
- 頁数
- 55頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2009