おわり。
おわり。
2014年4月、彼は「おわり。」
とつぶやいて、鉄砲を置いた。
東北の地で半世紀以上に渡って続いた鹿猟、その終焉の記録。
― 出版社説明文より
2011年、彼は11月に一度だけ鹿猟をした。それ以来、鹿を狩りに山に入ることはやめた。
僕は猟期が来るたびに尋ねた。
「鹿猟しないの、今年も。」
彼は言った。
「もう嫌になった。鹿を殺すの。今までいっぱい殺してきた。もういい。それに食べられないなら、殺さない。殺したくない。」
鉄砲店からもらったという、何度も折り畳んだ跡のある一枚の書類を見せてくれた。そこには鹿肉から放射性物質が検出されたことが書かれていた。
― あとがきより抜粋
- 判型
- 300 x 300 mm
- 頁数
- 24頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2014
- 言語
- 英語、日本語
- エディション
- 500