ミライの記憶
現在パリを拠点にしている梶岡美穂の作品は、基本的にはスナップショットをベースにして制作されている。彼女はどこにでもカメラを持ち歩き、面白いと思ったものを直感的に撮影する。そのようにして撮りためたイメージを緻密な暗室作業によって詩的なイメージを創り出す。梶岡は自分を写真家としてよりも画家として位置づけているというが、自身初となるコロタイプによるポートフォリオ『Memories of Future(未来の記憶)』は、「少女と女性」というテーマを軸にしてセレクトされており、セピア色の儚くイメージが自身の記憶を辿るように浮かび上がっている。
プリントサイズ:25.4 x 20.3 cm
― 出版社説明文より
梶岡美穂(かじおか・みほ)
1973年岡山県生まれ。サンフランシスコ・アート・インスティチュートで絵画を学んだのちに、モントリオールで絵画と写真を学ぶ。帰国後は東京で報道の仕事に就き、東日本大震災を機にアート活動を再開。現在はパリを拠点にしながら、主にヨーロッパにおいて展示と作品集の出版を行なう。著書『so it goes』(2019年)が、年間を通してフランスで出版された写真集の中で最も優れた作品に贈られるナダール賞を、日本人としては初めて受賞した。
○コロタイプとは○
一般的な印刷方法であるオフセット印刷では色や濃淡を小さな網点の密度で表現するが、コロタイプでは連続階調で表現するため、写真のようにより本物に近い緻密なディテールで表現することができる。
- 判型
- 258 × 206 mm
- 頁数
- 6頁
- 発行年
- 2023