光と陰の島
<非ー在>を描く、イメージの重層
沖縄の風土に幾重にも絡みつく意味性に抗うように短い生涯を駆け抜けた写真家が、その思索の涯てに眼差したものはなにか。
深い森に沈む廃坑にニライカナイを重ねる「光と陰の島」、政治の季節の輝きと蹉跌を日常の風景に隠した「72年の夏」、ウミンチュのシマに神の往来の物語を甦らせる未完の遺作「海の旅人」より編まれた121点。解説:翁長直樹・友寄寛子・倉石信乃。
― 出版社説明文より
伊志嶺隆(いしみね・たかし/1945-1993)
1945年、家族の疎開先の台湾で生まれる。翌年、両親の故郷の宮古島に引き揚げ、1950年に一家で那覇市に移住。1965年、那覇商業高等学校を卒業。上京し、印刷会社での勤務を経て、1968年、東京写真専門学院(現・東京ビジュアルアーツ)入学。中退後、日本デザインセンター、高梨豊写真事務所に勤め、1971年にフリーとなり沖縄に戻った。翌年、琉球大学や沖縄大学の写真クラブ有志らと写真集団「ざこ」を結成。1988年、銀座ニコンサロンでの個展「光と陰の島」で、西表炭坑を題材にした作品を発表。1990年には、那覇市民ギャラリーで個展「72年の夏」を開催した。1993年、バイク事故により急逝。翌年、那覇市民ギャラリーで「伊志嶺隆遺作展」が開催。同年、『伊志嶺隆遺作集』(伊志嶺隆遺作集実行委員会)が刊行された。2008年、「沖縄・プリズム 1872–2008」(東京国立近代美術館)に出品、2011年には那覇市民ギャラリーで「伊志嶺隆写真展 島の陰、光の海」が開催された。2012年、『伊志嶺隆写真集 光と陰の島』(未来社)が刊行。2019年、「伊志嶺隆と平敷兼七」(沖縄県立博物館・美術館)が開催された。
― 東京都写真美術館「TOPコレクション 琉球弧の写真」より
- 判型
- 235 × 257 mm
- 頁数
- 150頁、掲載作品121点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2012
- 言語
- 日本語
- ISBN
- 978-4-624-90023-6