Father: 30219
作家リー・ラン(黎朗)は2013年に82歳の父親を亡くした。タイトル「30219」はその父親が生きた日数、30219日からきている。
葬式が執りしきられ、また墓石に父親の名前、誕生日、命日が刻まれる。それは一般的なことである。またリーの父親の人生は、ドラマチックなことが起きたようなものでもなかった。これはこの世の中において、本当に一般的な、よくある出来事のひとつかもしれない。しかしながら、リーにとっては大切な出来事であり、ひとつひとつを噛み締めるように、父親の死に向き合う作業が必要だった。
リーは、父親の人生を再構築するかのように、父親の誕生日や命日を書き記し続け、また遺品を撮影した。記憶と愛情が消えていくような時間に争いながらその作業を続けたのだ。
本書は、その記録を残した1冊になり、まるで本そのものが“人”であるような存在感がある。リーはもうこの世の中にはいない父親という存在をを本というかたちで残したのだ。
― ディストリビューター説明文より
黎朗(Li Lang / リー・ラン)
1969年中国・成都生まれ、成都在住。1990年代後半から写真を中心に活動している。代表作の「彝人」シリーズ(彝人=四川省の山岳民族イ族の人々)は、アメリカのThe Mother Jones Medal of Excellence(1999年)をはじめ、さまざまな賞を受賞。中国国内外の多くの美術機関で展示され、サンフランシスコ近代美術館、上海美術館、スペイン・バレンシア近代美術館、広東省美術館など、多くの重要な美術館や個人コレクションに収蔵されている。
- 判型
- 614 × 473 mm
- 頁数
- 56頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2020
- 言語
- 英語、中国語
- エディション
- 300