Epiphany
眼を閉じれば瞼が癒してくれる。
傷が増えるたびに写真も増えていけばそれでいい。
写真はいつも知らない世界に連れて行ってくれる。
いつも自分の内側は敏感でいたい。
それは、写真を自分の内側でやるためではない。
自分の外側で写真をやるために。感受するために。
全神経の感度を上げてゆけば、傷を受けてしまうこともある。
でも、それは大したことではない。
眼を閉じれば瞼が癒してくれる。
傷が増えるたびに写真も増えていけばそれでいい。
写真はいつも知らない世界に連れて行ってくれる。
思えば、半狂乱になりながらここまで写真をやってきたように思う。
徹底的に対峙する眼差しから始まって、
今は平凡で単一な時に眼差しが向かう。
それは、疲れて平均的な感度になったからではない。
単純な形態や姿ほど魂の類いがよく感じるから。
定着したはずの写真が動くような生きた写真。
そういう新たなフェーズに差し掛かっていればと願う。― 山上新平
- 判型
- 257 × 182 mm
- 頁数
- 32頁、掲載作品31点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2023
- 言語
- 英語、日本語
- エディション
- 900