骨の髄
2012年から2018年に、世界の5つの祭り、イングランド・アッシュボーンのShrovetide Football、秋田県美郷町の竹打ち、ボリビア・マチャで行われるTinku、ジョージア・シュフティのLelo、長野県野沢温泉村の道祖神祭りの「火付け」を撮影した写真集。
連続する写真からは、肉体がぶつかり合う音、ほとばしる汗と立ち昇る湯気、言葉にならない音声が聞こえる。スポーツの始原と言ってもいい、格闘する祭り。
近藤和敬(哲学者)による解説、著者と芥川賞作家の石井遊佳との対談、著者による祭事の概要、あとがきを収録。
この写真展は、イギリス、ジョージア、ボリビア、日本で行われている5つの祭事のシリー
ズで構成されている。これら5つの祭事の形態は、肉と肉がぶつかり合う格闘とも言える身体
行為である。現代社会の常識と照らし合わせると、いくらハレの日であっても非常識と顔をし
かめる人もいるかもしれない。それを否定するつもりはないが、どの祭事も数百年の歴史が
あるのである。これらの祭事が連綿と続いているのは、その集落の人々にとって、五穀豊穣や
無病息災を祈るだけでなく、その文化のなかに、先人から受け継いでいる知があるからだろ
う。
―『骨の髄』あとがきより
- 判型
- 257 × 250 mm
- 頁数
- 132頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2020
- 言語
- 英語、日本語
- ISBN
- 978-4-88008-481-7