静岡詩
身の回りの何気ない景色を捉えた佐内の写真は、歴史的な瞬間が記録されているわけでも、特別な意味が含まれているわけでもない。ただそこには、ある場所に居合わせ、目の前のものに対峙したという写真家の軌跡が残されているだけである。しかしこうした平然で、淡々とした瞬間を積み重ねた先に、時間も空間も超えた普遍的な日常性が浮かび上がってくる。佐内の写真に触れると、自分の記憶の奥底に眠っていた風景が鮮やかに立ち現れてくることだろう。
『静岡詩』では新たに撮り下ろした写真と、過去に撮影した写真とを織り交ぜて、写真が写真であることの意味や「表現しない写真」を正面から問い続けてきた佐内の眼に、自身が生まれ育った静岡は今どう映る/写るのか。
- 判型
- 180 × 110 mm
- 頁数
- 208頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2023
- 言語
- 日本語