私の現代
写真による造形の実験を重ね、独自の抽象表現を拓いた先駆者。
生誕120周年に際して、西宮市大谷記念美術館(2019年5月25日ー7月28日)と東京都写真美術館(2019年11月12日ー2020年1月26日)で大規模個展が開催される山沢栄子。
1970―80年代に手がけたカラーとモノクロによる抽象写真シリーズ<What I Am Doing>を中心に、抽象表現の原点を示す1960年代の写真集『遠近』を収載する。
『遠近』には、土門拳が以下の推薦文を寄せた。「日本写真界に人多しといえども、山沢さんのような写真家は全く独自な存在である』。
また、戦前の活動を伝えるポートレートや、アメリカ近代写真との関連を示す資料、疎開中の写真など、158点の図版を収載する決定版。
日本の写真の流れとは異なる地平で創作を続けた芸術家の歩みを辿り、女性写真家の草分けとして山沢栄子の「ひとつの道」を示す。
テキスト/池上司・鈴木佳子 年譜、主要参考文献
「日本にかえると日本の写真を改善しなければならないと考え、みんなのやっているような種類の写真はしたくないと思った。その気持ちが今でも私を動かしている。それから二十五年の時間がたっている。いろいろのことがあった。戦争という大きなことまでも。しかし私は写真の仕事とはなれた時はなかった。」
(山沢栄子「女流写真家として40年」より)
― 出版社説明文より
- 判型
- 297 × 204 mm
- 頁数
- 224頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2019
- 言語
- 英語、日本語
- ISBN
- 978-4-86541-096-9